写真のようにリアルな鉛筆画の描き方を解説している記事です。実際に描いた絵を参考にしながら、解説していきます。SNSなどでバズっているリアルな鉛筆画は”部分的”に描かれています。全体的に描くデッサンとは違い補助線は描きません。描く順番が大切になり、さらに濃さに注視すること、集中力が必要になります。
はじめに
部分的に描く方法は、デッサン風に描く方法よりも、よりリアルに描くことができます。
本格的に鉛筆画を極めたい方にはこちらの部分的に描く方法をおすすめします。
写真のようにリアルな鉛筆画を描いている人のほぼ全員がこの方法で描いています。
それでは、今回はアーティストである”アリシアキーズ”さんをモデルに鉛筆画の描き方を解説していきたいと思います。
お手本にする写真はこちら。
白黒の写真なので、鉛筆画に適していると思い、こちらを選びました。
完成した絵はこちらです。
使用した画材
- 鉛筆(H~6B)
- 練り消し
- ケント紙(B5)
ケント紙は横にして使いました。
描く順番
部分的に描く鉛筆画は文字通り”部分的に描きます”
デッサンのように全体的に描くのではないので、全体のバランスを取るのが難しいです。
描く順番ですが…。
- 左の目
- 右の目
- 鼻
- 口
- 輪郭(肌)
- 耳
- 髪
の順番です。
描きやすい順番で構いませんが、毎回同じ順番で描くことで、自分のスタイルが確率し、成長を促進します。
それでは、順に解説していきます。
左の目を描く
左の目(アリシアキーズの右目)を描きました。
お手本にする写真と見比べながら、位置決めを行い、薄い鉛筆(Hなど)で下描きを描きながら、濃ゆい部分だけを濃い鉛筆で描いていきます。
部分的に描く方法では、補助線等を一切描かないので、位置決めに不安な方は定規で計って、位置決めをしてもいいと思います。
薄い部分と濃ゆい部分のコントラストに気を付けます。
特に、濃ゆい鉛筆で描く場合は気を付けます。
なるべく消しゴムは使いません。
修正は”練り消しゴム”で消せる程度です。
その際にゴシゴシ消さないように注意してください。紙が痛みます。
右の目
左の目が出来たら、右の目を描きます。
この時、左の目と整合性が取れるようにバランスを意識して描きます。
目の大きさ、眉毛の長さに注意します。
※私は右利きなので左の目→右の目の順番で描いています。もし左利きでしたら右の目→左の目の順番が良いかと思います。
下の写真はお手本にした写真との比較です。
今回は現物の写真を見ながら描きましたが、スマホやiPadの画像を見ながらで構いません。
ケント紙と同じ大きさのお手本を用意するとさらに描きやすくなります。
鼻を描く
鼻は陰影に気を付けて描きます。
意外と輪郭線がないので、線ではなく濃さで鼻を描きます。
線ではなく濃さで描くことは全ての工程で言える上手く描くコツです。
そのため、どこが濃くて、どこが薄いのかを、お手本をよーく見て理解してください。
口を描く
口では唇と歯を描きます。
唇は細かいシワがたくさんあり、時間を要します。
歯は濃さに気を付けます。歯の隙間は濃く描き、歯の表面は薄く描きます。
輪郭(肌)を描く
目、鼻、口が出来上がったら、次に顔の肌の部分を輪郭まで描きます。
濃さで表現する工程なので、お手本をよく見て描きます。
見たまんまを描く感じです。
耳を描く
耳を描きます。
ピアスやイヤリングがある場合は、金属的な特徴である光のハイライトに気を付けます。
見たまんまを描けばOKです。
髪を描く
最後に髪を描きます。
髪は髪の毛の流れに沿って線で描きます。
薄い鉛筆で描いて、徐々に濃い鉛筆で描くといい感じに仕上がります。
今回の絵はドレッドヘアーなので、線では描けませんが、やることは同じです。
”見たまんまを描く”です。
完成
完成しました。
全工程で大体10時間ぐらいだったと思います。
鉛筆画のコツはとにかく濃さに注視することです。
濃さに注視できるようになれば、今何を描いているのかを忘れてしまいます。集中を解いて、見て、はじめて「あ、今、鼻を描いていたんだ」と気付くようになります。
それだけ、細かい部分に注視してください。
「目を描いている」「口を描いている」などの先入観はアンリアルな絵にしてしまいます。
先入観を捨てて、濃さだけに注視して観察して、描き写してください。
練習なんて無駄なことはしないください。
毎回、最高傑作を描くつもりで1枚に集中して描いてください。
そうすれば、きっと写真のようにリアルな鉛筆画が描けるようになります。