この記事ではClip Studio Paintの使い方を実際に描いたデジタル画を参照しながら解説しています。Clip Studio Paintは、プロのアーティストから初心者まで幅広く使用されているデジタル描画ソフトです。今回は人気漫画チェンソーマンのキャラクター、パワーちゃんの絵を使って解説します。
1. 写真を用意
まず、チェンソーマンのキャラクターであるパワーちゃんの参考画像を用意します。
Googleなどで検索するとすぐに出てくると思います。画像探しでのおすすめはpinterestという画像サイトです。pinterestはこちら→https://www.pinterest.jp/
インターネットで公式アートやファンアートを検索し、複数の画像を集めておくと良いです。これにより、キャラクターの特徴を正確に捉えることができます。
模写なら、その絵をそのまま描き写せばいいのですが、今回は模写ではなく二次創作なので、ポーズや表情・背景なども決めます。
今回はこちらの画像のポーズにします。
使用するお絵かきアプリはCLIP STUDIO PAINT EXです。
2. 下描きを描く
参考画像を見ながら、パワーちゃんの下描きを描きます。以下の手順で進めます。
【手順】
- 新規キャンバスを作成:解像度は300dpi以上、サイズはA4やB4などを推奨します。
- ポーズ写真をアップロード:透明度を100から40くらいにしておくと描きやすくなります。
- ブラシを選択:鉛筆ツールやGペンツールを選び、新規レイヤー(ラスターレイヤー)にスケッチします。
- 基本形を捉える:頭部、体、手足の大まかな形を描きます。パワーちゃんの特徴的な髪型や角、服装なども簡単に描き入れます。
ちょっとズルい感じもしますが、このように写し描きができるのがデジタル画の強みであり、利便性です。
利点は最大限活用していきます。
透明度を100から40くらいに下げておくと下描きがしやすいです。
下描きは鉛筆やペンなど、ラフに描きやすいものを選びます。
この時は確か鉛筆の”荒い鉛筆”かペンの”ペン入れ汎用ブラシ(要ダウンロード)”だったと思います。
ポーズ写真のほうにはネクタイなどはないので、パワーちゃんの参考画像を見ながら、描いていきます。
3. ペン入れ
下描きが完成したら、次にペン入れを行います。
【手順】
- 新しいレイヤーを追加:ペン入れ専用のレイヤー(ベクターレイヤー)を作成します。
- インクペンツールを使用:Gペンや丸ペンを使用し、滑らかな線を描きます。太さは3-5px程度がおすすめです。
- 詳細を描き込む:髪の毛や服のシワ、表情など細部を丁寧に描きます。
下描きレイヤーの透明度を40くらいにしておくと描きやすいです。
さらに、青色レイヤーにしておくことでもっと描きやすくなります。
青色にしたいレイヤーのレイヤープロパティを開いて、以下のように設定します。
すると、このようになり、黒色でペン入れをする場合、かなり描きやすくなります。
使用したブラシはペンの”リアルGペン”です。
4. 色塗り
ペン入れが終わったら、色塗りに移ります。
色塗りは様々な方法があり、かつ長くなりますので、今回は白黒のイラストにしました。
なので、ここでは”黒”を入れます。
【手順】
- 新しいレイヤーを追加:カラーリング専用のレイヤー(ラスターレイヤー)を作成します。
- 塗りつぶしツールを使用:バケツツールやブラシツールを使って塗ります。
- 影を入れる:新しい影用のレイヤー(ラスターレイヤー)を追加、ブラシで自然な影を描きます。
下の画像ではレイヤー4が色塗りレイヤーになってます。
服とねと角だけなので簡単ですね。ついでに首元の影も入れちゃいます。(影レイヤーを作ったほうが融通性があり便利です)
5. ハイライト・細かい線
色塗りが終わったら、ハイライトと細かい線を追加して仕上げます。
【手順】
- ハイライトを描く:新しいレイヤーを追加し、髪や目、服の光沢部分にハイライトを入れます。ブラシツール×白色を使うといい感じに描けます。
- 細かい線を追加:最後に、髪の毛の細部や服のシワなど、細かい部分を描き込みます。ブラシサイズはペン入れの時よりも小さいほうがいいです。
色々なイラストを参考に、ハイライトを白色で描いていきます。
6. 完成
すべての手順が終わったら、全体を確認し、色ムラや線の乱れがないかチェックします。
最終確認を行い、完成です。
以下が今回使ったレイヤーです。
背景を描いたり、カラーになると、レイヤー数はもっと増えます。50~200レイヤーぐらいは使います。
- レイヤー5:ハイライト
- レイヤー4:色塗り
- レイヤー3:ペン入れ
- レイヤー2:下描き
レイヤーは上の方が強いので、以上のように【ハイライト→色→ペン】の順番にします。
以上で、Clip Studio Paintを使ったパワーちゃんの描き方の説明は終わりです。この記事を参考にしていただけると嬉しいです。