この記事では下のヴェノムの色鉛筆画を元に、描き方とコツを解説しています。
この絵はTikTokやYouTubeで反響があり、僕が出した動画の中では一番の再生回数になっています。
でも、この絵は少し訳アリで…。
たった11本の色鉛筆でたった5時間で描いた作品でもあります。
今回はこの秘密について全て暴露しようと思います。
そもそもリアルな色鉛筆画を描こうとすると、何十本から百本近くのたくさんの色鉛筆を使って、何十時間、人によっては100時間以上かけて描き上げます。
リアルな絵を描くっていうのはそれぐらい繊細かつ緻密な作業なんです。
そんなわけで、11本と5時間で描き上げたこの絵にはTikTokでも驚きのコメントがたくさん寄せられていました。
300本とか考えてたんだけど…
いや、5時間ってすごすぎる…
え?111本の間違いでは???
たった5時間でこんなすごい絵描けんの???すごすぎ…
たくさんの嬉しいコメントありがとうございます。
それでは
- 11本で描く
- 5時間で描く
というこの2つの秘密について暴露していきたいと思います。
少ない色で描く方法
少ない色で描く秘密を一言で言うと”混色”です。
例えば、「赤色」と「青色」の2種類の色があったとします。
そして、この2種類の色を混ぜ合わせると「紫色」になりますよね。
こうして、2種類の色から3種類目の色を作りだすことができました。
さらに付け加えると、赤:青=8:2にすると「赤紫色」が…、そして逆に、赤:青=2:8にすると「青紫色」が作れます。
このように、混色する色の割合を変えることで、さらに多くの色を作りだすことができます。
そして、混色する色は必ずしも2色ではある必要はありません。
3色だったり4色だったりバリエーションを増やすことでさらに多くの色をつくることができます。
3色目に白を加えると濃さを調整できたりします。
絵の具だと「赤、青、黄」の3色あればほぼ全ての色をつくることができますが、色鉛筆でも同じです。
そして、11本でたくさんの色を混色して描いたのがこの絵になります。
ちなみに写真に写っている色鉛筆が使った色鉛筆です。
でも混色については注意点があります。
赤と青を混ぜ合わせて作った紫は純粋な紫ではありません。特に色鉛筆だと、絵の具のように綺麗に混ざり合わないのであまり綺麗な紫色にならないのは先程の混色の写真からもわかると思います。
赤と青を混ぜ合わせた時の状態は赤色の粒子と青色の粒子が適当に配置されている状態です。
この図は色を粒子レベルにまで拡大した時の図だと思ってください。
紫の粒子は一つもありませんが、赤と青の粒子が混ざりあって配置されることで、人間の目には紫色に見えます。
つまり、純粋な紫色ではないということです。
そしてこちらが純粋な紫色を使って描いたときの粒子レベルにまで拡大した図です。
先程の図は赤色と青色の粒子が混ざりあっているのに対して、今回のは粒子レベルまで紫色です。
「混色した紫」か「純粋な紫」かという違いですが、プロレベルになるとおそらくこの辺のことにもこだわっていかなければいけないのだと思います。
短時間で描く方法
次はどうやって5時間で描いたのかを解説していきます。
色鉛筆画特有の最も時間がかかるところと言えば、白を描くことだと思います。
この絵でいうと、ハイライトの部分やよだれの白い部分ですね。
こういうところは色鉛筆だと、その白い部分だけ塗らないように描いていく必要があります。
これめちゃくちゃめんどくさいんです(笑)
なぜなら他の色の上に白は描けないからです。
白は紙の上にしか描けません。
例えば高級色鉛筆のカランダッシュの白色だと他の色の上にも多少白を描くことができます。さすが高級色鉛筆です。
でも真っ白を描くことはできないんです。
他の色の上に描くと必ず混色してしまうの純粋な白にすることはできません。
逆に黒のような濃ゆい色だと、他の色の上から描いても黒を描くことができます。
白は混色してしまうと白ではなくなってしまうんですね。
その点、白は特別な色だとも言えます。
ヴェノムのこの絵も白い部分だけ塗らずに描こうとすると、おそらくかなりの時間がかかってしまいます。少なくとも5時間で描き上げることはできません。
そこで僕が使ったのが「白いペン」です。
これを使うと「色鉛筆画じゃない」と思う人もいるかもしれませんが、時短のために僕は使いました。
他の色で描き終わったあとに最後に上から白ペンで描けば綺麗な白を表現することができます。
ちょっとズルいので僕も基本的には白ペンは使わないようにしています。
ここだけの話ですが、このヴェノムの絵は自分の中ではやっつけで描いたところもあって、あまり丁寧に描いていないんです(笑)
だから「白い部分はペンでいいやぁ~」という軽い気持ちで描いて、蓋を開けてみると、かなり反響があってビックリしました。
結果は努力に比例しないのかもしれないですね。
ということで、まとめると、白ペンを使ったことと、あまり丁寧に描いていないので、5時間という驚異的なスピードで描くことができたというわけです。
ちなみにこのヴェノムの色鉛筆画はプリズマカラーという色鉛筆で描いています。
発色がよく多くの色鉛筆画家が愛用している色鉛筆です。
良い色鉛筆についてはこちらの記事を参考してください。おすすめの色鉛筆